Q.現在キャップを手で締めていますが キャッパーの導入を考えています。キャッパー導入において大切な事は何ですか?

A.バラつきの原因となる締め付け時の不要ロストルクを発生させないメカニズムが必要となります。

キャッパー導入のきっかけは現在手で締められている場合は締め付け力(締め付けトルク)の安定性を求められているケースが多く、買い替えの場合はこのトル クの安定性プラス、キャップへの傷を無くしたいさらに、作業を合理化・省力化したいという要望が大半を締められています。

まずキャッパー の締め付けトルクの安定性ですが、よくお客様より「ウイストサーボキャッパーの軸トルク精度は何%出るのか?」という質問を頂きます。これは、各メーカー に問い合わせされこれで、キャッパーの性能評価とされるようですが、もちろん制御や処理速度は重要です。しかし、実際の現場を見る限り昨今はコストダウン の為にキャップや容器の資材の環境が良くなく、バラつきの原因となる締め付け時の不要ロストルクを発生させないメカニズムが必要となります。

重要な要素としては

1. キャップ締め付け回転時にキャップと容器間のねじ部に摩擦力を押す方向にも引く方向にも力を発生させない。
2. キャップを変形させ、容器とのねじ部の接触を部分接触にさせない。
3. キャップのチャックはキャップへの接触面積が大きく、キャップに締め時にキャップに傷をつけない。

具 体的に買い替え前の現場のでは、上記のメカニズムが装備されていない為、例えば品質管理から現場に対し開栓トルクが弱いと指摘され 現場では締め付けトル クを上げます。しかしキャップへのトルク伝達の接触面積が小さいと滑りが発生し傷がつきますので作業者は伝達部の押し付け圧をあげます。するとキャップが 変形しますのでねじ部の接触はどんどん点接触となっていきますので不要トルクが増大します。結果として締め付けトルクを増加させた以上に不要トルクが発生 しますと開栓トルクは当初より下がってしまい これを繰り返しますと品質管理からはトルクを上げる指示なのに逆に開栓トルクはどんどん下がっていくという 不可解な現象が発生し現場担当者は首をかしげてしまうような状況がおこっています。これらは2.3と相関を持った現象です。

又1.につい ては資材メーカーと生産現場との要求要素の違いで、消費者の使用状況を想定し手でキャップを開閉しても使用感としては問題ありませんが例えば最近はあまり 見かけませんが、トルクモーターの軸にテーパーゴムが装備されており これを押し付けるキャッパーですとキャップが全く回転せずにトルクアップしてしまい キャッピングできないケースも最近では多々見受けられます。これは押し付けた摩擦による不要トルクが締め付けトルクをはるかに上回っていますのでこの方式 のキャッパーでは生産できないという事になります。キャップをクランプするタイプのキャッパーでも、この機能がないと前記のように全く締められないという 事はないですが、そのキャップクランプ機構の重量が重いと同様の傾向となります。結局手で締めるように押す力も引っ張る力もかからない環境を作ってやる必 要があります。

キャップ締めのトルク管理は開栓トルクでの管理がほとんどなので前記の目に見えない不要トルクをいかに制御するかがキャッ プ締めの重要な要素となります。特に化粧品の生産現場では表面処理や塗装さていたり、金コーティング等、デザインされたキャップを日々多種対応されるの で、いかに不要トルクを制御しボトル口部天面とキャップ裏面を安定したトルクで締め付けて閉止させる事ができるか又、品種が多いので誰が切り替えを行って も再現性があるかが重要な要素となります。

次に機種の選定ですが、当社では手でボトルをセットするSC-2とコンベア上に設置すればボト ルの交換位置決め作業を自動で行うSC-3、さらにキャップを自動供給するSC-5と基本機種3機種があります。前に触れた品質面は同等の機能を持ってお り、これら機種の差は合理化の度合いにあります。お問い合わせでよく「キャッパーは初めて導入するので簡単なSC-2タイプでよい」と言われますが、よく お話を聞くと手作業でもすでにラインで作業されておりライン能力も15本/分~20本/分で流れており、キャップ締め作業を2名で手作業でされているケー スもありました。このラインに手始めにSC-2を1台導入したとしますと、1人でボトルキャップの仮締め、キャッパーへのセット交換を行いますと8本/分 が限度なので、すぐに2台目購入となり品質は確保できても結局キャッパー作業に2名、それでも能力が足りないので仮締め作業に1名、合計3名作業となって しまいます。そのラインのキャップ作業者は導入以降ずっと3名必要となります。一方SC-3はボトルの位置決め交換作業は機械が行いますので能力30本/ 分でもキャップ仮締め作業者1名で作業できます。この人員2名と能力10本の差は大きく 弊社は工場全体の合理化・省力化も行っていますので、他工程で1 名合理化しようとするとすぐに数百万円程度の投資が必要となる事から考えると、全く無駄な設備投資となってしまいます。しかもSC-2 2台よりも SC-3 1台の方がコストが安いわけですから、導入の際には 良く検討いただきたいと思います。

ではなぜ、自動ボトル交換タイプの SC-3を選択されないのかをお聞きしますと、「過去に自動交換タイプのキャッパーも検討したが、製品が変わるたびにそのボトルに合った部品を調達しない といけないので当社は新製品が次々出るし、品種が多いのでとてもその部品代をかける事ができない」といったお声を良く聞きます。

確かに他 業界では量産品は自動機で多品種少量生産品は手作業でといった考えが常識ですが、量産品が少なくなった化粧品では全て手作業になってしまいます。弊社はこ この問題に特化して洗ビン・充填・キャッピングの各工程の自動化に対し「交換部品を持たない、でも簡単に操作できるマシン造り」を基本理念とした会社で す。SC-3も専用部品が無く対象寸法内であれば、ほとんどの化粧品の生産が行えるキャッパーです。これは実機を見て頂かないとわかりづらいと思いますの で、お問い合わせください。

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